女性特有の器官・婦人科の病気

【女性特有の器官】
月経の仕組みは?
女性が一生の間に排卵する卵子は何個くらい?
性周期で、体温はどのように変わる?
妊娠期間は十月十日(とつきとおか)と言われるけど?
卵子と精子はどのようにして受精する?

【婦人科の病気】
子宮内膜症
子宮筋腫
月経異常(生理痛など)
更年期障害

女性特有の器官(生殖器)

卵巣

子宮の左右にある一対のアーモンド型の器官で、卵子を含む多数の原始卵胞がつまっています。
原始卵胞は成熟して成熟卵胞となり、やがて卵子を排出します(排卵)。
その後、卵胞は黄体となり、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を産生します。

子宮

全長約8㎝、最大幅約4㎝、西洋梨を逆さにしたような形の臓器です。
上3分の2を子宮体部といい、下3分の1を子宮頚部といいます。
子宮頚部は膣に通じており、一部は膣内に飛び出しています。
子宮体部の中は空洞になっており、妊娠すると胎児はここで成長します。
子宮の壁は厚さ1㎝ほどの筋肉(平滑筋)からなり、内面は粘膜(子宮内膜)でおおわれています。
子宮内膜は受精卵にとってはベッドのようなもので、排卵後に厚く柔らかくなります。
妊娠しなかった(受精卵が子宮内膜に着床しなかった)場合、子宮内膜は剥がれ落ち、体外に排出されます(これが月経)。

体の外(外陰部)と子宮頚部をつなぐ管状の器官で、長さは7~8㎝です。

乳房

成人女性の乳房は、乳頭を中心に、乳腺が放射状に15~20個並んでいます。
乳腺は、母乳を作るための分泌腺である小葉、それと乳頭をつなぐ乳管からなります。
妊娠すると、乳腺の増殖が促されて小葉が増加し、母乳を出す準備が整えられます。

月経の仕組みは?
卵子は全て胎児の間に出来上がっていて、原始卵胞という袋に包まれた状態のまま、身体が性的な成熟を迎えるまで休んでいます。
思春期になると、下垂体前葉(大脳の深部に位置する間脳にある器官)から卵胞刺激ホルモンの分泌が始まり、原始卵胞が成熟し始めます。
また、成熟過程にある卵胞は、エストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌します。エストロゲンは、受精卵が着床し、育つためのベッドである子宮内膜を増殖させ、厚みが増していくように働きかけます。
成熟した卵子は卵胞を破って、卵巣から排出されます(これが排卵)。
排卵の後、卵子を包んでいた卵胞は黄体に変化し、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し始めます。
プロゲステロンは、厚みを増した子宮内膜に栄養を与え、充実させる働きがあります。
排卵されたけど受精しなかった(精子と出会わなかった)卵子は、およそ1日で死んでしまいます。
そうすると子宮内膜も必要なくなるので、厚みを増していた部分が剥がれ落ち、出血とともに膣から排出されます。これが月経です。

女性が一生の間に排卵する卵子は何個くらい?
新生児の卵巣には、左右合わせて数十万個の原始卵胞があります。
しかしそれらは、成長するにつれて数が減り、18~24歳で約15万個くらいになります。
そのうち、成熟して排卵されるのは、数百個にすぎません。
例えば、月経のある期間を35年、月経周期を約1カ月とすると、35年×12か月=420個が、一生の間に排卵する卵子の数ということになります。

性周期で、体温はどのように変わる?
性周期は、卵胞が成熟していく卵胞期(約7日間)、排卵、子宮内膜が充実していく黄体期(約12~16日)、月経期(3~7日)に分けられます。
正常月経周期は、月経初日から次の月経の前日までの日数が25~38日とされています。
卵胞期は低温期と呼ばれ、排卵があると一時的に更に体温が下がり、次の黄体期は体温が高くなります。
そして、月経が始まると体温は下がります。 基礎体温(何も活動をしていない状態の体温)を測定することで、排卵の有無などを推定できます。

妊娠期間は十月十日(とつきとおか)と言われるけど?
妊娠期間は通常、10ヶ月と10日ではありません。
妊娠期間は受精から約266日で、実際は9カ月ほどになります。
ただし、実際に受精した日時は特定できないため、出産予定日は最終月経の初日を基点とします。
最終月経の初日が1月1日なら、1月7日は妊娠1週になります。
最終月経から280日(40週)を出産予定日と決めるのが一般的です。
出産予定日は、最終月経の初日から9カ月と7日後くらい、ということになります。

卵子と精子はどのようにして受精する?
膣内に射精された精子は、子宮頸管、子宮、卵管(卵巣から子宮に伸びている細い管)へと進みます。
膣はpH(ペーハー)4~5の強い酸性の環境で、精子がむきだしのまま放出されるとすぐに死んでしまいますが、pH7~8の弱アルカリ性の精液がそれを中和してくれます。
子宮頸管は粘液の粘度が高く、精子が尾を振って進もうとしても難しいのですが、排卵前後の数日は粘液の水分が増加し、粘度が低くなります。
子宮頚部を通過した精子は、子宮から卵管へと向かいます。
射精時に2~3億個もいる精子は、ここまでで200個程になっています。
成熟した卵子は、卵管の端にあるラッパのような形をした卵管采に吸い込まれ、子宮の方に運ばれていきます。
卵子が子宮に運ばれるまでに3~4日かかりますが、卵子は排卵後24時間で死んでしまいます。
精子と卵子が出会うのは、排卵後の24時間以内に限られることになります。
卵管膨大部で、精子が卵子と出会うと、200個程の精子がいっせいに先端を破裂させ、卵子の幕を壊す酵素を放出します。
そして、その中でもたった1個の精子が卵子の中に滑り込んで、受精が成立します。(受精までにかかる時間は、射精後、30分から1時間)
卵子の持つ遺伝子と精子の持つ遺伝子が結合し、全く新しい細胞が作り出されます。

婦人科の病気

子宮内膜症

本来、子宮内膜は子宮の内側をおおっています。
その子宮内膜(それに似た組織)が、子宮以外の場所(子宮の筋層内、卵巣、卵管、腹腔内など)で増殖する病気です。
生殖年齢にある女性の10~15%に存在するといわれています。
子宮内膜のような組織は、本物の子宮内膜と同じく卵巣からの女性ホルモン(エストロゲンなど)の影響を受け、増殖と出血を繰り返します。
卵巣内で増殖した場合、出血の出口がないため、生理のたびに血液が排出されずに溜まっていき、とけたチョコレートのようになります。これを卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)といいます。
子宮内膜症は卵管周辺の癒着をよく起こし、不妊の原因になる場合があります。
月経痛が酷く、徐々に増悪していきます。
月経時以外にも下腹部痛や腰痛、性交時痛などがみられます。

原因は?

子宮内膜が卵巣など他の部位に増殖する理由は、判明していません。
未婚女性の増加、初産年齢の上昇、出産回数の減少などが関係していると言われています。

病院での治療法は?

軽症であれば鎮痛剤などによる対症療法で経過をみます。
また、組織の増殖を抑えるため、ホルモン剤や経口避妊薬を用いる場合がありますが、これでは根治できません。
腹腔鏡手術で病巣や癒着部を焼いたり切除したりすることがあります。
妊娠を希望しない場合、子宮や卵巣を摘出する手術をおこないます。
妊娠や出産をきっかけに治ることがあり、閉経後は自然に萎縮し無症状になります。

子宮筋腫

子宮の筋層のなかにできる良性腫瘍で、30歳以上の女性の20~30%は子宮筋腫を持っていると考えられています。
あずきくらいの大きさから、気付かないうちに子供の頭ほどの大きさまで成長することもあります。
大小いくつもの筋腫ができていることもあります。
主な症状は月経過多、月経の期間が8日以上に延びる、それにともない貧血や不正出血が現れたり、不妊や流産、早産の原因になることもあります。
筋腫が小さいうちは、多くが無症状で、全く気付きません。
筋腫が大きくなると、膀胱や直腸を圧迫して頻尿や便秘、腹痛を起こすことがあります。

原因は?

はっきりとした原因は不明ですが、卵胞ホルモンの影響で筋腫ができるものと推測されます。

病院での治療法は?

悪性化はしないので、症状がなければ治療の必要はありません。
筋腫が大きくて重い症状がある場合、流産や不妊の原因になる可能性がある場合などは、筋腫を切除する手術をおこないます。

月経異常

月経の周期・期間・経血量などが明らかに正常の範囲を超えているものを、月経異常といいます。

無月経

原発性無月経は、生まれてから一度も月経がなく、満18歳になっても初潮が訪れないことで診断されます。
続発性無月経は、これまであった月経がなくなり、3か月以上停止した場合をいいます。
過剰なダイエット、過度の運動、ストレスなどが原因となります。
妊娠・授乳期間や、閉経により月経がなくなる場合は異常ではありません。

過多月経・過少月経

月経時の経血量が多すぎるものを過多月経といい、レバー状の塊がいくつも出る、貧血を起こすなどの症状が現れます。
月経時の経血量が少なすぎるものを過少月経といいます。
月経が2日以内で終わる場合は過少月経と考えられます。

生理痛(月経困難症)

月経時に下腹部の痛み、腰痛、頭痛などの症状が現れます。
イライラする、疲労感、腹部の圧迫感などの症状もあります。
月経時に子宮内膜が剥がれるように促すプロスタグランジンというホルモンは、全身の筋肉を緊張させる働きがあり、それによって下腹部の痛みや頭痛、吐き気が起こると言われています。
また、子宮筋腫や子宮内膜症などが原因となっている場合もあります。

更年期障害

更年期とは、女性の閉経前後のことで、40~50代半ばのうち5年間ほどを指します。
更年期障害とは、その更年期に心身の症状が現れることをいいます。
頭痛、ほてり、のぼせ、動悸、肩こり、腰痛、発汗・冷や汗、頻尿、イライラ感、不安や憂鬱などの心身の不調が併発して起こります。

原因は?

閉経前は卵巣の機能が低下し、卵胞ホルモンの分泌が少なくなります。
ホルモンバランスの大きな変化が自律神経の中枢に影響を与え、不定愁訴(明白な器質的疾患がない自覚症状)が現れます。
また、精神的なストレスが影響していると考えられています。

病院での治療法は?

卵胞ホルモン(エストロゲン)などのホルモン補充療法がとられます。
心理的要因が大きいと考えられる場合は、精神安定薬が用いられることもあります。

 


婦人科系の病気について、滋賀草津カイロプラクティックの見解

当院は病院ではないので、薬や手術を用いることはありません。
整体の施術によって自律神経の働きが安定し、精神的ストレスが解消されることで、慢性的な症状の改善を期待して頂けます。

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