睡眠障害とは?
例えば、試験の前日や重要な会議の前などに、緊張や興奮から眠れなくなってしまうことは誰しもあることと思います。
ほとんどは一時的なものですが、なかには眠れない状態が長期間続き、精神的・身体的に大きな負担となってしまう場合があります。
このような不眠をはじめ、日常生活に支障をきたすほど、睡眠に関する悩みが発生している状態を「睡眠障害」といいます。
睡眠障害の主な症状
不眠
眠りたいのに眠れない状態を「不眠」といいます。
通常、人間は夜になると眠くなる睡眠のリズムがありますが、何らかの原因で「夜眠れない」不眠状態になってしまう場合があります。
不眠には、次の5つのパターンがあります。
①入眠困難
布団に入って眠ろうとしても、なかなか寝つけない状態。
②中途覚醒
いったん眠っても途中で目が覚めてしまったり、目が覚めるとなかなか寝付けないといった状態。
③早期覚醒
いったん眠っても、夜中や朝早くに目覚めてしまう状態。
④熟眠障害
朝起きた時に疲れがとれていなくてスッキリしない、ぐっすり眠れた気がしないといった状態。
⑤眠らなくても平気
眠れなくても気にならないタイプ。精力的に仕事をして気分が高揚している時など。
眠りは感情、心理的ストレス、環境、体調、薬など様々な条件に左右されます。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時に一時的に呼吸が止まり、眠りが浅くなったり目が覚めてしまう症状です。
寝ている時に10秒以上呼吸が止まり、その都度眠りが浅くなったり、途中で目が覚めたり、朝起きた時にスッキリ感がなく、日中に眠気に襲われたります。
呼吸が止まる原因は、
・脳の呼吸中枢の働きに障害がある。
・肥満などにより気道が狭くなっている。
などが考えられます。
気道が狭くなっているケースが多く、無呼吸の後に大きないびきをかくのが特徴です。
食道が狭くなる原因は、肥満の他に、扁桃肥大、舌が大きい、下あごの発育不全、飲酒、甲状腺の異常、上部気道の腫瘍などが考えられます。
無呼吸状態になっても、窒息死することはありません。
血液中の酸素濃度が下がると、脳が呼吸をするように指令を出して、呼吸が再開されるからです。
しかし、酸欠状態は脳や心臓に負担をかけ、身体も十分な休養がとれず、さまざまな不調の原因にもなります。
睡眠時無呼吸症候群を長年放置していると、高血圧、狭心症、脳梗塞、心筋梗塞などに発展する危険性が高くなります。
ナルコレプシー
日中、耐えられない眠気に襲われ、数分、長い場合は数十分眠り込んでしまう症状です。
ナルコレプシーは、重要な会議中、会話をしている時、車を運転している時など、普通なら眠れない状況でも抵抗できないほどの強い眠気に襲われ、眠ってはいけないと思っていても眠ってしまいます。
笑ったり驚いたりすると身体の力が抜ける「脱力発作」、寝入った時に声が出ない、身動きや息ができないといった「睡眠麻痺」という症状が現れることもあります。
過眠症
どんなに眠っても眠り足りず、過剰な眠気が続いている状態のことです。