高血圧とは

血圧とは?

血管は、水をまくホースのような形状をしていて、その中を血液が流れています。
血圧とは、血液が、血管の内壁を押す圧力の強さを表しています。

心臓は、血液を送り出すポンプのような役割をしています。
心臓から出て、全身に向かっていく血液が流れる血管を、動脈といいます。
また、全身から心臓に戻っていく血液が流れている血管を、静脈といいます。
心臓がギュッと縮んで、血液を送り出すときに、血管にかかる圧力が、いわゆる「上の圧力」、収縮期血圧(最高血圧)です。
逆に、心臓が拡がって、静脈からの血液を吸い込む時の血圧が、「下の血圧」、拡張期血圧(最低血圧)です。

血圧を表す単位

血圧は、「140mmHg」のように、mmHgという圧力の単位で表します。
mmHgは、ミリ水銀柱、水銀柱ミリメートル、ミリエイチジーなどと呼ばれます。
医師や看護師が、手動式の血圧計を使って血圧を測ることがありますが、あの目盛りが水銀柱(すいぎんちゅう)です。
水銀柱を140mm押し上げる圧力が、140mmHgになります。
つまり、血圧が140mmHgとうことは、水銀柱を140mm押し上げる圧力が、血管壁にかかっているということにあります。

高血圧の基準

血圧は、年齢や季節、運動や食事、感情の起伏によっても変化します。
体を動かしたり、寒さを感じるだけでも血圧は上昇しますが、一時的な血圧上昇は、高血圧とは言いません。

高血圧とは、安静状態での血圧が、慢性的に正常値よりも高くなっている状態です。

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」による高血圧の基準は、

収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上

となっています。
これより低ければ良い、というわけではなく、最も良いとされる「至適血圧」は、

収縮期血圧が120mmHg以下、かつ拡張期血圧が80mmHg以下

となっています。
血圧は、出来るだけ低めにコントロールされている方が良い、とされています。

高血圧の原因

高血圧には、

・原因となる病気がある「二次性高血圧
・原因を特定できない「本態性高血圧

の2種類があります。
日本では、高血圧患者の9割以上が、本態性高血圧です。

二次性高血圧の原因となる病気で最も多いのは、慢性腎炎、腎盂腎炎などの腎臓の病気です。
他にも、心臓や血管、脳腫瘍などが原因で起こることもあります。

本態性高血圧の直接的な原因は、よくわかっていません。
遺伝的要因、生活習慣、喫煙、塩分のとり過ぎ、お酒の飲み過ぎ、運動不足、ストレス、加齢などが関連していると考えられています。

高血圧の合併症

高血圧そのものには、自覚症状がほとんどありませんが、放置するとさまざまな合併症を併発すると言われています。

高血圧の状態が続くと、血管の内壁に常に強い圧力がかかって、パンパンに緊張した状態になります。
すると、血管は圧力に耐えようとして、硬くなっていきます。それが動脈硬化です。
血管が硬化して弾力を失うと、内皮が傷つきやすくなります。
傷ついた内皮の下に悪玉コレステロールなどが入りこんでアテローム(粥腫。柔らかい腫れ物)ができ、大きな腫れ物の塊(プラーク)になったり、プラークが破裂して血の塊「血栓」ができたりします。

高血圧は、大動脈の病気のほか、脳卒中、心臓病、腎障害などの病気のリスクが高まると言われています。

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