パニック障害の症例|治療の現場から・その15

不安な女性不安や心配を非常に強く感じたり、そこから動悸や息苦しさなどが同時に現れたりする症状を神経症(不安障害)と言います。

パニック障害は、神経症の一つです。

突然、強い不安感や身体の症状が現れるパニック発作、「また発作が起こるのではないか」という予期不安などがパニック障害の特徴になります。

パニック障害などの神経症は、様々な症状が現れても、病院の検査では身体に異常が見つかりません。

原因がわからないため、かえって

「どうして私が…」
「こんなことで悩んでいるのは私だけ?」

と孤独感や不安感が募る場合もあるかと思います。

しかし、肩こりや腰痛などと同様、パニック障害も、誰にでも起こり得る症状です。

また、不安や動悸などを感じることは誰しもあると思いますが、どこまでが正常で、どこからが神経症か、その境界線は極めてあいまいです。

病院で診断を受けていなくても、パニック発作と考えられるような症状で悩んでいる方も多いかと思います。

そこで、当院に来院されている患者さまの症例を紹介させて頂きます。

パニック障害が起きたきっかけは?

症状が起こるようになった経緯は、患者さまによってそれぞれです。

・ある日突然、電車の中で息苦しくなり、それ以来電車に乗れなくなった。
・なんとなく息苦しさを感じることが増え、不安な気持ちが強く出るようになった。

また、元々は非常にポジティブで、不安などを感じたことはなかったという人もいれば、以前からマイナス思考で不安をいだきやすかったという人もいらっしゃいます。

ただ、多くの患者さまが、下記のような原因がパニック障害を引き起こしたのでは、と感じていらっしゃるようです。

・精神的なストレスがたまっていたかもしれない。
・仕事などで過度の疲労がたまっていたかもしれない。
・病気、事故、災害、暴力などで強烈な不安を感じたことが、きっかけかもしれない。

パニック発作が起こる場所、状況は?

パニック発作、またはその前兆のような症状が出る場所、状況には、かなり共通点があります。

電車
特に新快速などによる長距離の移動、ラッシュ時など混み合っている状況で不安を感じる、途中下車してしまう方が多いです。

新幹線
新幹線に乗車できない、乗車することに大きな不安を感じる。乗車中に発作が起こったという方が多いです。

飛行機
飛行機は、乗ろうとも思わない方が多いようです。
一方、満員電車よりは不安は少ないと感じる方も。

美容院
特に、髪を洗う時に不安を感じる方が多いです。

歯科
歯医者さんで、長時間仰向けになって、口を開けているのが辛い。

レストラン
スペースが狭くて隣の席と近い、混み合っている、天井が低い、お手洗いが離れている。

映画館、コンサートホール
照明が暗い、すぐに外に出られない、長時間拘束される、子供など同伴者に気を遣う。

高速道路
すぐに車を止めることができない。トラックなどの圧迫感。

渋滞した道路
外に出られない。いつ渋滞を抜けられるかわからない。

トンネル
特に高速道路などの長いトンネル。暗くて狭い。なかなか抜けられない。事故や渋滞があったらどうしよう。

高い橋、立体交差、大きな坂道
特に高速道路で恐怖感が出る。

人ごみの中
人が多いところで緊張感が高まる。

会社や学校の朝礼など
しばらく身動きできない。暑さ寒さなどの環境。

会議、研修
好きな時に外に出られない。発言を求められるかもしれない緊張感。人が多い。シーンとしている。

入学式、入園式などの参観
沢山の人が列になっていて、外に出にくい。一定時間拘束される。知らない人が多く、緊張感が高まる。

大型スーパー
広くて明るい。出口やお手洗いの場所が気になる。人が多い。

強い臭いがするところ
化学薬品を扱っている職場。ケーキ屋さんなど食品の臭いで息苦しくなることも。

出口、またはトイレの位置がわからない、遠い
すぐに出ていけない状況が、不安感を引き起こす。

このように、様々な場所、状況がパニック発作が起こる要因になるようですが、


・自由に出て行くことができない場所、状況。
・人が多いなど、緊張感が高まりやすい場所、状況。

こういった共通点があるように思います。

また、睡眠不足や疲労があると、パニック発作が起こりやすくなる傾向があります。

空腹時、または満腹時に起こりやすいという場合もあるようです。

パニック発作で現れる症状は?

患者さまによって様々な症状が起こりますが、共通点も多いようです。 

酷い発作のため、救急車で運ばれた方も少なくありません。

精神的な症状
・強い緊張感、不安感、悲哀感、空虚な気持ち。
・「死んでしまうかもしれない」と感じるほどの恐怖感。
・頭では大丈夫とわかっていても、万に一つの危険を非常に恐れてしまう。(強迫観念)
・外出することに大きな不安を感じる。(外出恐怖、広場恐怖)
・人と会いたくない。(対人恐怖)
・人と一緒に食事に行けない。
・旅行に行けない。
・また発作が起こるのでは、という不安。(予期不安)
・病気や死の恐怖を強く感じる。(疾病恐怖)
・自分が自分でないような感覚。現実感の喪失。(離人感)
・不安感などが急によみがえり、動悸など身体症状も同時に現れる。(フラッシュバック)

など。

身体的な症状
・動悸、頻脈。
・息苦しい。息切れ。
・胸痛、胃の痛み。
・吐き気、嘔吐、めまい、気持ち悪くなる。
・失神しそうになる。
・不眠、睡眠障害。
・手足のしびれ
・冷や汗が吹き出る。

など。

精神的な症状が先か、身体的な症状が先か?

パニック障害でお悩みの方は、パニック発作(またはその前兆)が起こること自体が、大きなストレスになっている場合がほとんどです。

そこで、多くの方が

「動悸などの発作が起こらなければ、不安になることもないのに…」

と考える一方で、

「発作への強い不安が、また発作を引き起こしてしまうのでは…?」

とも思われるようです。

精神的不安が、動悸などの身体的症状を引き起こすのか?

それとも身体的な症状が現れるために、強い不安感が出るのか?

これを明確に区別することは出来ないと思います。

むしろ、心と体は密接につながっていて、心身の症状は一体となって現れると考えた方が自然だと思います。

当院の治療方針は、

・身体的アプローチ=自律神経の調整、体の歪みの除去
・精神的アプローチ=ストレスを取り除く心理療法

両方を組み合わせることで、根本的な改善を目指します。

詳しくは…パニック障害でお悩みの方へ

上記の症例は全て、当院の患者さまから聴き取りさせて頂いたものです。

もしあなたが、パニックの症状でお悩みなら、少しでも参考にして頂けると嬉しく思います(^^)

【パニック障害の治療】滋賀草津カイロプラクティック整体院
院長 村岸 毅
● 診療時間 9:00~20:00(月曜日は12:00まで)
● 定休日 火曜日
● 滋賀県草津市大路2丁目1-41 太田ビル202
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